いろいろな喉頭(声帯、喉頭蓋)の病気

くしゃみ、鼻水

アレルギー性鼻炎

花粉症を代表とする季節性アレルギー性鼻炎と、ホコリ・ハウスダスト・ダニ等を代表とする通年性アレルギー性鼻炎に分けられます。理想的には、①アレルギー検査をして原因をはっきりさせる。可能であればそれを除去する。②-1内服薬(抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬)、点鼻薬、点眼薬で治療する。②-2減感作療法(舌下免疫療法SLIT、皮下免疫療法SCIT)を行い、体質改善を図る。③鼻腔レーザー治療を行う。④-1全身麻酔下での鼻の手術(神経切断術等)を行う。④-2分子標的薬などの新薬を使用する。という治療段階が推奨されます。患者様一人ひとりの原因や治療タイミングでお勧めする治療法が変わりますので、お気軽にご相談ください。

当院では、主に成人を対象とした39項目を一度に調べるアレルギー検査と、主に小児を対象とした指先採血のイムノキャップ8(20分で結果判明)を行っております。

アレルゲンの一覧
©Thermo Fisher Scientific
QR・39種類を一度に調べられるアレルギー検査
39種類を一度に調べられるアレルギー検査
20分で結果がわかるアレルギー検査のご案内
©Thermo Fisher Scientific

血管運動性鼻炎

アレルギー性鼻炎と症状が似ていますが、アレルギー検査で原因となるものが同定されず、気温差や温度差でくしゃみや鼻水の症状を起こすものをいいます。ラーメンを食べたときに鼻水が出ることと成り立ちは同じで、スーパーの鮮魚コーナーや起床時に鼻水がドバっと出るものもこれに当たります。鼻水のオン・オフスイッチが過剰に切り替わっているため、内服や点鼻薬で過剰な反応をおさえたり、鼻の中を元々潤しておき、症状を緩和させます。

いろいろな鼻(副鼻腔)の病気

いろいろな鼻(副鼻腔)の病気

鼻づまり

肥厚性鼻炎

本来鼻の中の粘膜は、左右交互に腫れたり引っ込んだりして加湿・加温を行う器官です。しかし長年アレルギー性鼻炎などを患っていると、ずっと両側が腫れたままとなり鼻の中が狭いままとなるため鼻づまりを感じるようになります。これを肥厚性鼻炎と呼び、一般的には内服や点鼻薬等での治療はかなり時間がかかるか難しいため、鼻腔レーザー治療を第一にお勧めします。うまくいかない場合は、全身麻酔下での下鼻甲介切除術なども検討するためご紹介となります。

薬剤性鼻炎

血管収縮薬が含有された点鼻薬(市販薬に多い)は、使い始めはかなり満足感が得られますが、長期にわたって使用すると逆に鼻の粘膜が腫れてきて鼻詰まりの原因となります。まず使用中の点鼻薬を中止しないといけませんが、最初は鼻づまりが苦しいため中々思うようにいきません。そのため、薬剤の中止前に鼻腔レーザー治療を行い、点鼻薬から解放されるお手伝いをすることをお勧めします。

萎縮性鼻炎

鼻の中は広ければ広いほど鼻通りが良いわけではありません。鼻の中の適度な障害物(鼻甲介と呼ばれるヒダ)による気流の速度アップと、鼻の中の適度な水気が空気の通りで冷える感覚が総合されて、「鼻が通っている」という感覚が生まれます。加齢による鼻甲介の萎縮やそれにともなう鼻水の減少(乾燥性鼻炎ともいいます)や、時に過剰な鼻処置による後遺症が原因となります。加湿のための点鼻薬や軟膏、ネブライザー治療などを総合して行います。

鼻中隔彎曲症

鼻の真ん中の壁を鼻中隔と呼び、骨と軟骨が組み合わさって構成されています。これらは成長期に成長スピードが異なるため、彎曲(曲がり)が生じます。野球やサッカーなどで鼻をぶつけたりしても、彎曲が生じます。彎曲がひどい場合には、鼻腔レーザー治療を行うことはできず、全身麻酔下での矯正術(鼻の中から内視鏡で行う)をお勧めします。

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

鼻が詰まる、いやなにおいがする、においがわからない、頭が重い、痰や目ヤニが出るなどの症状があります。鼻(鼻腔)の周りの副鼻腔に膿がたまり、徐々に流れ出たり中で圧迫症状を起こすことで様々な症状を引き起こします。背景にアレルギー性鼻炎がある場合や、保育園などで繰り返し鼻かぜを引いている場合に発症しやすく、また治りにくくなります。お子様の場合、副鼻腔炎が長引くと中耳炎も発症してしまいやすくなります。一般的には長期少量マクロライド療法を行うことで3か月程度で治癒する場合が多いですが、元々の副鼻腔の排出路などが狭い場合は治りにくく、全身麻酔下での副鼻腔内視鏡手術を行うことがあります。

好酸球性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎の中で、白血球のうちアレルギー反応に関与する好酸球が過剰に作用することが原因で発症するもので、両側の鼻に中等度~高度に副鼻腔炎様症状が出現します。確定診断(難病申請)には鼻の中のポリープ(鼻茸)を一部採取して顕微鏡下に好酸球の数を確認する必要があり、治療も副腎皮質ステロイド薬など一般的な蓄膿症の治療とは異なるアプローチとなります。手術や生物学的製剤を用いた治療も考慮されるため、ご紹介となるケースが多いです。

鼻副鼻腔癌(上顎洞癌)

鼻副鼻腔癌症例写真

初期は鼻づまりくらいしか症状がありませんが、進行すると鼻血、臭いにおい、顔面の痛みや腫れ、眼球の位置異常や視力障害など症状は多岐に及びます。副鼻腔癌(特に上顎洞癌が多い)は症状が出現するまで時間がかかるので、進行癌で発見されることが多いです。治療は手術、放射線、動注化学療法(留置カテーテルを用いた抗がん剤投与法)などがあります。できるだけ早期に発見すること、見逃さないことが早期の治療開始につながるため、ご心配な症状がある方やそうでない方もいつでもご相談ください。

鼻血

鼻前庭炎

鼻の入り口を鼻前庭部と呼び、そこの炎症を鼻前庭炎または鼻せつと呼びます。特に小児(特に男児)で鼻をほじる癖がある場合によく発症します。アレルギー性鼻炎で治療をしておらず、鼻をかむ頻度が多い方もなり易いです。鼻血でクリニックへ来院する70%以上がこれで、処方された軟膏を1日2~3回、3~4日間使用してあとは触らないようにしておけば治まります。原因が黄色ブドウ球菌で、触ったところに次々広がるものをとびひ(伝染性膿痂疹)といいます。程度もひどく痛みも伴うため、その場合は抗菌薬の内服治療を併用します。

典型的な鼻出血

鼻中隔皮膚粘膜移行部(鼻に入って5~10㎜の間の真ん中側。鼻毛が生えている部分のすぐ奥。)に弱い血管が露出し、そこから多量の出血を起こします。よくこの現象を起こすため、KiesselBach部位と名前がついています。加齢や高血圧等の持病により、弱くなった鼻の血管が蛇行して飛び出してしまうことで、それが破れて出血します。まずは小鼻を押さえて鼻の真ん中の壁を圧迫し、冷やしましょう。大体はそれでとまります。ティッシュは詰めても良いですが、またとるときにはがれて出血するので、入れたら入れっぱなしでクリニックへお越しください。以前から言われている、上を向いたり、首の後ろをトントンとたたくのは効果がありません。クリニックに来院され、出血点がはっきりわかったら、鼻の中にガーゼを詰める局所麻酔を行って、電気メスで焼灼止血を行います。痛みは通常伴いませんし、処置も数秒で済みます。

オスラー病

非常に珍しい難病で、血管が元々拡張して脆弱となり、内出血も表面の出血もいたるところで出現してしまいます。この場合典型的な止血方法は施行できず(出血が悪化する)、適宜愛護的にいろいろな止血剤を貼付するなどして対応する必要があります。

副鼻腔真菌症

副鼻腔炎のうち、真菌(カビ)によるものを別に副鼻腔真菌症と呼びます。真菌には通常の慢性副鼻腔炎で用いられるマクロライド系という抗菌薬が効かないこと、アスペルギルス属のような一部の真菌は骨を破壊するように進行するため危険なこと、などから別の考え方が必要となります。初期はほとんど症状がなく、「茶色の鼻水が出た」、とか「血混じりの膿が出た」という訴えで来院される方が多いです。残念ながら内服治療等は効果が乏しく、内視鏡での副鼻腔手術を行うことが推奨されています。

鼻副鼻腔癌(上顎洞癌)

初期は鼻づまりくらいしか症状がありませんが、進行すると鼻血、臭いにおい、顔面の痛みや腫れ、眼球の位置異常や視力障害など症状は多岐に及びます。副鼻腔癌(特に上顎洞癌が多い)は症状が出現するまで時間がかかるので、進行癌で発見されることが多いです。治療は手術、放射線、動注化学療法(留置カテーテルを用いた抗がん剤投与法)などがあります。できるだけ早期に発見すること、見逃さないことが早期の治療開始につながるため、ご心配な症状がある方やそうでない方もいつでもご相談ください。

鼻をぶつけた

鼻骨骨折

鼻をぶつけたときにまず気になるのが、「骨は折れていないかしら?」ということだと思います。まず小児の場合、骨は成人と比較し弾性があるため骨折しにくくなっています。骨折したかどうかは、①ぶつけた後から鼻血が出て、中々止まらない。②ぶつけた場所が比較的鼻の付け根側である。③ぶつけた後かなり腫れる、青黒くなる。以上が当てはまると、骨折の可能性が高いと考えられます。鼻骨骨折で整復術(元に戻す処置)を要するのは、鼻閉が高度な場合や審美(見た目)が気になる場合です。脚や腕の骨折と違い、荷重や可動がある部分ではないので、骨折があっても全例整復を行う必要性はないのです。ただし、スポーツ等でまたぶつける可能性が高い方は、ネーザルスプリントやフェイスガードを使用して、弱くなった骨を打撃から守る必要があります。

鼻が痛い

急性副鼻腔炎

急激に副鼻腔に膿がたまると、鼻の中やほっぺたや頭の痛みが出現し、発熱を伴う場合もあります。においが急にわからなくなることもあり、新型コロナウイルス感染症と症状が似ており注意が必要です。鼻の中をファイバースコープで観察し、副鼻腔から鼻の中へ膿汁の排液が認められたり、副鼻腔に膿の貯留をうたがう画像所見(CTやレントゲン検査等)が得られることで診断となります。抗菌薬で殺菌を行うと同時に、抗アレルギー薬、痰切りの薬剤等を用いて治療を行います。症状が強い場合は数日間の点滴で強い治療をお勧めする場合があります。

鼻前庭炎

鼻の入り口を鼻前庭部と呼び、そこの炎症を鼻前庭炎または鼻せつと呼びます。特に小児(特に男児)で鼻をほじる癖がある場合によく発症します。アレルギー性鼻炎で治療をしておらず、鼻をかむ頻度が多い方もなり易いです。鼻血でクリニックへ来院する70%以上がこれで、処方された軟膏を1日2~3回、3~4日間使用してあとは触らないようにしておけば治まります。原因が黄色ブドウ球菌で、触ったところに次々広がるものをとびひ(伝染性膿痂疹)といいます。程度もひどく痛みも伴うため、その場合は抗菌薬の内服治療を併用します。

上顎洞嚢胞、鼻前庭嚢胞

副鼻腔の内視鏡手術が一般化された1980年代以前に口腔内から歯の根元を切開して副鼻腔炎の手術を行われた方などに、その部位が嚢胞(ふくろ)状になって腫れ、痛みやしびれをともなうことがあります。手術後何十年も経っていても、急に症状が出現します。CT等の画像検査で診断し、当座のところは抗菌薬や腫れを抑える薬、解熱鎮痛剤でしのぎますが、根本治療はやはり内視鏡での嚢胞開放術(全身麻酔)を要します。

鼻がくさい、におう

鼻腔異物

3歳~5歳くらいに多く見られます。ティッシュ、ビーズ、ブロック、シール等が多いです。お子様本人は「悪いことしちゃった」という自覚があるようで、中々ご両親に伝えず、結構時間がたって親がなんか鼻の中がにおう(くさい)気がする、といったことで来院されるケースが多いです。放置すると感染源となり、異常に臭くなります。変だと思ったらこれを思い浮かべていただき、一度クリニックへご相談ください。

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

鼻が詰まる、いやなにおいがする、においがわからない、頭が重い、痰や目ヤニが出るなどの症状があります。鼻(鼻腔)の周りの副鼻腔に膿がたまり、徐々に流れ出たり中で圧迫症状を起こすことで様々な症状を引き起こします。背景にアレルギー性鼻炎がある場合や、保育園などで繰り返し鼻かぜを引いている場合に発症しやすく、また治りにくくなります。お子様の場合、副鼻腔炎が長引くと中耳炎も発症してしまいやすくなります。一般的には長期少量マクロライド療法を行うことで3か月程度で治癒する場合が多いですが、元々の副鼻腔の排出路などが狭い場合は治りにくく、全身麻酔下での副鼻腔内視鏡手術を行うことがあります。

歯性上顎洞炎

上あごの奥歯の根っこが原因となり、蓄膿症状を起こすものです。原因を絶たない限り、通常の内服治療等では根治は望めず、内視鏡での鼻の手術や、歯科治療(主に抜歯が必要となる)を行う必要があります。CT検査で歯の根っこがほっぺたの裏側の上顎洞という副鼻腔の空洞にどのように干渉しているかを確認して診断します。鼻内や口腔内からの観察では、よほどひどい状況でなければ耳鼻科でも歯科でも診断は困難です。

鼻副鼻腔癌(上顎洞癌)

初期は鼻づまりくらいしか症状がありませんが、進行すると鼻血、臭いにおい、顔面の痛みや腫れ、眼球の位置異常や視力障害など症状は多岐に及びます。副鼻腔癌(特に上顎洞癌が多い)は症状が出現するまで時間がかかるので、進行癌で発見されることが多いです。治療は手術、放射線、動注化学療法(留置カテーテルを用いた抗がん剤投与法)などがあります。できるだけ早期に発見すること、見逃さないことが早期の治療開始につながるため、ご心配な症状がある方やそうでない方もいつでもご相談ください。

においがわからない

老人性嗅覚障害

嗅覚障害は認知症の初期症状との報告があります。皆様ある種のにおいを嗅いだ時、昔の思い出のシーンがよみがえることがあると思います。嗅覚治療を行うことが認知症の進行を食い止めるという報告はありませんが、嗅覚細胞自体は再生能力があるとされ、また早期発見することで認知症の発症・進行の予防につなげることができると思われます。嗅覚障害自体も、ガス漏れなどに気づかないため危険です。お気軽にご相談ください。

好酸球性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎の中で、白血球のうちアレルギー反応に関与する好酸球が過剰に作用することが原因で発症するもので、両側の鼻に中等度~高度に副鼻腔炎様症状が出現します。確定診断(難病申請)には鼻の中のポリープ(鼻茸)を一部採取して顕微鏡下に好酸球の数を確認する必要があり、治療も副腎皮質ステロイド薬など一般的な蓄膿症の治療とは異なるアプローチとなります。手術や生物学的製剤を用いた治療も考慮されるため、ご紹介となるケースが多いです。

新型コロナウイルス後遺症

疲労感・倦怠感、関節痛・筋肉痛、咳、痰、息切れ、胸痛、脱毛、記憶障害、集中力低下、頭痛、抑うつ、嗅覚障害、味覚障害、動悸、下痢、腹痛、睡眠障害、筋力低下など様々な症状が報告されています。当クリニックでは、後遺症をお持ちの方に様々な検査と治療を提示・提供します。採血検査や鼻内ファイバースコピー観察などを行い、通常の内服治療、ビタミン・栄養素の補助や食事指導、漢方治療、Bスポット治療(上咽頭擦過療法。EAT)、点鼻薬などの外用薬治療などを組み合わせて行います。新型コロナウイルス後遺症による嗅覚障害では、「嗅覚刺激療法」が治療効果が高いとされています。(※ 詳細については、現在研究段階にあるためご自身で調べてみてください。クリニックにお越しいただいた方には、随時最新の情報を提供いたします。)