耳の構造

聞こえない、耳鳴り、耳がふさがった感じがする

突発性難聴

突然に、原因無く片側の聴力が低下する病気です。疲れやストレス、睡眠不足などが原因ともいわれています。軽度のものから重度のものまであり、重度の場合はときにめまいも伴います。副腎皮質ステロイドやビタミン剤、血行改善薬を用いて治療を行いますが、どれだけ治療が早く開始できたかが重要となります。軽度のものや治療に時間が割けない方は内服治療のみを行いますが、難聴の程度や患者様とのご相談により、高気圧酸素療法やペインクリニックでの治療を併用する場合には高次医療機関へのご紹介を遅滞なく行います。

急性中耳炎

急な発熱、耳の痛み(耳をおさえる、たたく等)、不機嫌/啼泣が主症状です。小児は急性中耳炎診療ガイドラインが定められ、重症度によって抗菌薬投与の有無、日数、量の調整や鼓膜切開などの外科的処置の必要性について細かく規定されています。いったん目立つ症状が落ち着いても、しっかりと鼓膜所見がきれいになるまで治療を行わないと、またすぐに(特に保育園児等)再発します。急性中耳炎と診断されたら、夜間の発熱や耳痛を避けるために長風呂や運動は控え、患側の耳を冷やすようにして下さい。夜間にお子様が急性中耳炎を疑う症状を訴えたら、手持ちの本人用の解熱鎮痛剤を使用し、翌朝受診してください。抗菌薬の投与開始は急ぐ必要はありません。

滲出性中耳炎

滲出性中耳炎は、一見すると気づきにくい中耳炎です。お子さんの長く鼻水が続いていて、なんとなく聞こえが悪いようだ(返事をしない)という状態であれば間違いなさそうです。滲出性中耳炎の治療は長い期間を要し根気が必要ですが、放置すると他のもっと危険な中耳炎(癒着性中耳炎真珠腫性中耳炎等)につながることがあります。また、成人の片側性の滲出性中耳炎は、鼻の奥(上咽頭)に悪性腫瘍を含めた病気の大元がある場合があり、要注意です。

真珠腫性中耳炎

真珠腫は、皮膚や鼓膜と同じ上皮でできています。上皮はけがをした時に、傷を塞ぐ作用があり、欠損部分を補う性格をもっています。鼓膜の奥にある中耳腔という空間に上皮が入り込み(鼻すすり癖など)、まわりの耳小骨などを破壊して進行する皮膚のお化けといった様相の病気です。真珠腫の治療には全身麻酔下での手術が必要となりますが、真珠腫が少しでも残存すると再発しやすく、何回も手術が必要になる可能性があります。

癒着性中耳炎

鼓膜が長年に渡る炎症の繰り返しにより、ペラペラに弾性を失ってセロハンのようになり、中耳内にくっついてしまった(癒着)状態です。鼓膜チューブを留置するなどの外科的処置を行わないと改善が見込めませんが、その際もくっついてしまった鼓膜をはがすために全身麻酔下での手術を要することが多くあります。

好酸球性中耳炎

白血球の中で、アレルギー反応に関与する種類のものを好酸球と呼びます。特に気管支喘息などのアレルギー体質がある方で、過剰な好酸球が中耳腔内に溜まり難聴をきたす難治性疾患です。難病であるため、中耳内に溜まった液体を細胞の検査に提出し、その中に好酸球が多く含まれることを確認しないと診断に至りません。治療は通常の中耳炎とはアプローチが大きく異なり、副腎皮質ステロイドの内服や中耳腔内への投与を継続的に行う必要があります。最近気管支喘息に用いられる一部の分子標的薬がこの中耳炎への治療効果が期待され研究が進んでいます。

いろいろな中耳炎

いろいろな中耳炎

加齢性(老年性)難聴

年齢を重ねることによる両側の難聴で、高音部から聞こえが悪くなります。音が小さく聞こえるというよりは、何と言っているかがわかりにくくなります。周りの方には、大きくしゃべるのではなく、母音をしっかりと、ゆっくりしゃべってもらうことで聞こえやすくなります。早めに適切な補聴を行うことで、脳の老化の予防にもつながります。

先天性難聴

遺伝子疾患や、胎生期(母親のおなかの中にいるとき)に母親が風疹やサイトメガロウイルス感染症にかかることにより、生まれつき難聴をもっている状態です。片側の難聴であれば、教室の机の位置を工夫したりすることをお勧めします。両側の難聴であれば言語発育を目的として、1-3-6ルール(生後1か月までに聴覚スクリーニングを行い、3か月までに精密検査を行い、6か月までに支援を開始する)に則った対応が必要です。

ムンプス(おたふく)難聴

おたふく風邪にかかることで、稀に片側(ほとんど)の高度難聴が合併してしまう病態です。学童期に多く認められますが、成年後も発症する可能性があります。突発性難聴に準じた治療が行われますが、改善の見込みがあまりありません。適切なワクチン接種による予防が重要となります。

騒音性難聴

過去の習慣的な騒音曝露により、4kHz(キロヘルツ)周囲の高音域の難聴と耳鳴りが残ってしまった状態です。特にこの音域の耳鳴りは耳障りであり、「耳鳴りで眠れない」といったことを相談されるケースが多くあります。内服薬等で治療を行いますが、完治することは難しく、若いころから聴力負荷をかけない心がけが重要です。

音響外傷

騒音性難聴と似ていますが、「昨日ライブに行った後から耳鳴りがしている」といった発症早期のケースがこれに当てはまります。適切な治療を行うことで回復が見込めますので、できるだけ早く耳鼻科を受診してください。

外リンパ瘻

内耳にはリンパ液が充填されており、外リンパ腔と内リンパ腔に分かれています。くしゃみや重い荷物を持ったりしたときにその外リンパ腔が中耳側に破裂してしまい、急に難聴とめまいを発症するものです。水の流れるような「サラサラとした」耳鳴りが特徴的です。突発性難聴に準じた治療を行いますが、しばらく安静として内耳に再度圧力をかけないようにする必要があります。高度や難治性の場合、全身麻酔下での手術で瘻孔(穴)をふさぐこともあります。

耳硬化症

比較的若いうちに、多くは両側の難聴が年単位で進行する病気です。中耳にある小さい骨(耳小骨や蝸牛)が硬化する(硬くなる)ために、音の伝わりや増幅が妨げられていきます。2kHzという比較的日常生活で使用する音域から低下することが一般的なため、難聴は初期から感じやすくなります。全身麻酔下での手術により治療します。

耳管機能異常(耳管狭窄症、耳管開放症)

鼻の奥と中耳を繋ぐ管を「耳管」といいます。ダイビングや飛行機等で行う耳抜きとは、耳管を広げる行為のことです。耳管が狭い(狭窄)と鼓膜が奥に引き込まれ、耳管が広すぎる(開放)と自分の声が響いたりボワボワとした聞こえでどちらも不愉快になります。耳管狭窄症には内服・点鼻薬での治療、耳管通気治療、鼓膜切開術が行われます。耳管開放症には、点鼻薬や漢方薬での治療が一般的に行われます。耳管開放症は、耳の症状があるときに頭を下げる(お辞儀をする)ことで一時的に不快感が緩和する特徴があります。

聴神経腫瘍

内耳まで伝わった音は、神経を伝わって脳に到達します。聞こえの蝸牛神経と平衡器官の前庭神経が並走しており、概ねその前庭神経を包む鞘が腫瘍化して蝸牛神経を圧迫することで難聴をきたすのが聴神経腫瘍です。クリニックの聴力検査だけで診断できないため、高次医療機関での脳波検査やMRI検査を併用して診断する必要があります。ゆっくりと進行することが多く、手術に至る頻度は少ないです。

外耳道腫瘍、外耳癌

頻度は多くありませんが、耳の穴の中にもできもの(腫瘍)が発生します。多くはサーファ-ズイヤー(軟骨の隆起)や耳せつ(おでき)といった良性腫瘍ですが、非常にまれに癌も発症します。原因はほとんどが過剰な耳掃除であり、耳鼻科医が耳掃除のやりすぎを注意するのはこれがあるからです。

外耳道異物

耳の中に異物が入り込み、ご自身で除去できない状態です。時に耳の中の痛みを伴います。髪の毛、ビーズ、BB弾、ティッシュ、綿棒の先、昆虫、補聴器等で用いる耳型採取のための印象剤などがあります。それぞれ痛みの無いように工夫して除去を試みますが、時々しっかりはまり込んでいて除去に痛みをともなう場合があります。(お子さんが暴れて取れないケースもあります)その時は全身麻酔下での除去を想定して紹介することになります。

耳垢栓塞

耳垢(みみあか)にはカサカサのものとベタベタのものがあり、ベタベタのものの方がご自宅で掃除を行うことが困難です。耳垢の質は皮脂の量の差で遺伝性です。個人差は大きいですが、赤ちゃん~乳児は4か月に1回(年3回)程度、それ以降の方は半年に1回程度耳掃除に来院して頂くケースが多いです。定期的に耳掃除に来ていただく方は、ご自宅では特に掃除の必要はありません。

耳が痛い、耳の奥が痛い

急性中耳炎

急な発熱、耳の痛み(耳をおさえる、たたく等)、不機嫌/啼泣が主症状です。小児は急性中耳炎診療ガイドラインが定められ、重症度によって抗菌薬投与の有無、日数、量の調整や鼓膜切開などの外科的処置の必要性について細かく規定されています。いったん目立つ症状が落ち着いても、しっかりと鼓膜所見がきれいになるまで治療を行わないと、またすぐに(特に保育園児等)再発します。急性中耳炎と診断されたら、夜間の発熱や耳痛を避けるために長風呂や運動は控え、患側の耳を冷やすようにして下さい。夜間にお子様が急性中耳炎を疑う症状を訴えたら、手持ちの本人用の解熱鎮痛剤を使用し、翌朝受診してください。抗菌薬の投与開始は急ぐ必要はありません。

急性外耳炎

外耳道湿疹を超え、傷に細菌が付着すると外耳炎を発症します。痛みを伴い、色がついた耳漏(みみだれ)を認め、腫れが強いと耳がふさがった感じとなり難聴を併発します。点耳薬や内服治療を行いますが、原因(過剰な耳掃除、イヤホンの習慣的な使用等)を避けることも重要となります。

悪性外耳道炎

急性外耳炎を繰り返して抗菌薬の投与歴が多い方や、糖尿病など免疫力の低下する基礎疾患をお持ちの方では、緑膿菌(りょくのうきん)が原因となる外耳炎を起こすことがあります。緑膿菌は各種の抗菌薬が効きにくい"耐性菌"が存在し、進行すると脳内へ細菌が侵入して重篤な状態になることがあります。これを悪性外耳道炎といい、耳内も溶け出すような所見であることが多いため、疑わしい場合や培養検査で耐性緑膿菌が原因である場合は、高次医療機関へのご紹介を行います。

耳性帯状疱疹(Ramsay-Hunt症候群)

耳介(みみたぶ)や外耳道の発疹と、顔面神経麻痺と、難聴・耳鳴・めまいなどの内耳障害の3徴候が帯状疱疹ウイルスの再活性化により発症するものをRamsay-Hunt症候群と呼びます。幼少期に水ぼうそうに感染した後、原因ウイルスである帯状疱疹ウイルスは顔面神経の神経節(神経と神経の中継点)に潜んでいます。免疫力の低下などにより、潜んでいたウイルスが再活性化して症状を起こします。帯状疱疹を含むヘルペスウイルス属は神経毒をもつため、神経の麻痺を起こすだけでなく皮疹や痛みもともなうことが多く見られます。麻痺に対するステロイド治療、ウイルスに対する抗ウイルス薬の投与を主体として治療を行いますが、Ramsay-Hunt症候群の神経麻痺は後述するBell麻痺と比較し治りにくいケースが多いため、ペインクリニックでの治療を併用したり、全身麻酔下での顔面神経減荷術を行う場合は高次医療機関への紹介を検討します。免疫力の低下してくる50歳以上に、帯状疱疹ウイルスに対するワクチン接種が適応となっていますが、高額(東京都公費負担なし(任意接種)2回摂取合計44,000円(2022年11月時点))です。

外耳道異物

耳の中に異物が入り込み、ご自身で除去できない状態です。時に耳の中の痛みを伴います。髪の毛、ビーズ、BB弾、ティッシュ、綿棒の先、昆虫、補聴器等で用いる耳型採取のための印象剤などがあります。それぞれ痛みの無いように工夫して除去を試みますが、時々しっかりはまり込んでいて除去に痛みをともなう場合があります。(お子さんが暴れて取れないケースもあります)その時は全身麻酔下での除去を想定して紹介することになります。

三叉神経痛、舌咽神経痛

耳の痛覚は三叉神経と舌咽神経が担っています。三叉神経は耳以外に顔面や頭部を、舌咽神経は耳以外にのどや舌の感覚を感じます。神経痛は中耳炎と異なり、ストレスや環境の変化、気圧の変化により間欠的に、針で刺すような、ズキンとした痛みが起こります。聞こえの変化はほとんど伴いません。多くは数日で治まりますが、一般的な解熱鎮痛薬(ロキソニン®等)以外に神経障害性疼痛に対する薬剤や抗ウイルス薬の併用を行うことがあります。長く症状が続く場合は、一度脳のMRI検査などで状態を確認しておくことをお勧めします。

顎関節症

耳が痛むという訴えで来院される中に、顎関節が原因である方は意外と多くいます。ポイントとしては若干耳の前方に痛みがあること、食事時に悪化すること、難聴などの症状を伴わないことです。大きく口を開けたり閉めたりして、コリッ~ゴリゴリという音がしたらほぼ確定です。多くは1週間程度鎮痛薬等を使用しながら、硬いものを食べないように(顎を使わないように)しておくと軽快しますが、症状がひどい場合や繰り返す場合は全身麻酔下での手術が考慮されます。

耳垂れが出る、耳がかゆい

慢性(穿孔性)中耳炎

これも長年に渡る鼓膜の炎症により、穴が開いてしまって閉じなくなった状態です。鼓膜の穴のみであれば耳漏や10~20dB(デシベル)程度の軽度の難聴の症状があり、穴が長期に渡って空いた状態が続くと中耳腔内の環境が悪化し難聴が進行します。治療は手術のみとなりますが、以前は全身麻酔下での閉鎖術しかなかったものの、最近外来で閉鎖術が可能なキットが開発されました。穴の大きさや中耳腔内の状態によりどちらの手術が適切か判断されます。

外耳道湿疹

特に綿棒での耳掃除の習慣が多い方に多く見られます。過剰な耳掃除による外耳道内の細かな傷、また皮脂の減少により肌荒れが続き強いかゆみを伴います。透明な耳漏(みみだれ)が出る場合もあります。治療は外用薬(軟膏)の塗布や抗ヒスタミン薬の内服等が用いられますが、かゆいときは冷やすなどしてできるだけ耳の中をかかない、掃除しすぎないことが求められます。耳掃除は多くても2週間に1回程度行えば十分です。

外耳道真菌症

外耳炎の中で、カビが付着することによるものを別に外耳道真菌症と呼びます。こちらも外耳炎の反復による抗菌薬の頻用や、糖尿病などの免疫不全状態がある方に発症することが多いです。カビ自体は体の表面や環境中に日常的に存在しますが、前述のような状態が続くと悪さをし始めることがあります。一般的な外耳炎と比べると治療に時間がかかり、場合によって何回も通院して耳洗(耳を生理食塩水等で洗浄する)を繰り返さないと治らないケースもあります。

外耳道腫瘍、外耳癌

頻度は多くありませんが、耳の穴の中にもできもの(腫瘍)が発生します。多くはサーファ-ズイヤー(軟骨の隆起)や耳せつ(おでき)といった良性腫瘍ですが、非常にまれに癌も発症します。原因はほとんどが過剰な耳掃除であり、耳鼻科医が耳掃除のやりすぎを注意するのはこれがあるからです。

顔が動かなくなる(片側)

耳性帯状疱疹(Ramsay-Hunt症候群)

耳介(みみたぶ)や外耳道の発疹と、顔面神経麻痺と、難聴・耳鳴・めまいなどの内耳障害の3徴候が帯状疱疹ウイルスの再活性化により発症するものをRamsay-Hunt症候群と呼びます。幼少期に水ぼうそうに感染した後、原因ウイルスである帯状疱疹ウイルスは顔面神経の神経節(神経と神経の中継点)に潜んでいます。免疫力の低下などにより、潜んでいたウイルスが再活性化して症状を起こします。帯状疱疹を含むヘルペスウイルス属は神経毒をもつため、神経の麻痺を起こすだけでなく皮疹や痛みもともなうことが多く見られます。麻痺に対するステロイド治療、ウイルスに対する抗ウイルス薬の投与を主体として治療を行いますが、Ramsay-Hunt症候群の神経麻痺は後述するBell麻痺と比較し治りにくいケースが多いため、ペインクリニックでの治療を併用したり、全身麻酔下での顔面神経減荷術を行う場合は高次医療機関への紹介を検討します。免疫力の低下してくる50歳以上に、帯状疱疹ウイルスに対するワクチン接種が適応となっていますが、高額(東京都公費負担なし(任意接種)2回摂取合計44,000円(2022年11月時点))です。

特発性末梢性顔面神経麻痺(Bell麻痺)

特に原因となるものが不明で、顔面神経麻痺だけが単独で発症する病気です。
Ramsay-Hunt症候群と比較すると麻痺は治りやすいといわれていますが、遅くとも発症10~14日以内に治療を開始することが推奨されています。副腎皮質ステロイド薬やビタミン剤、血行改善薬を併用して治療しますが、低用量の抗ウイルス薬を併用することも多いです。ペインクリニックでの治療を併用するケースも多く、その場合はご紹介をいたします。

耳介(みみたぶ)
の病気

耳瘻孔

多くはみみたぶの前方(時々みみたぶの軟骨など)に小さい穴が生まれたときから存在し、時に感染を起こして腫れたり痛みを伴ったり臭くなったりします。胎生期(母親のおなかの中にいる間)に耳たぶが仕上がる際、一部の皮膚が迷って洞窟状に残ってしまうものです。急に腫れたり感染を起こした場合は、抗菌薬の投与や場合により切開排膿処置を行い対処しますが、元々の洞窟(瘻孔)を切除して根本的な治療を希望される場合はご紹介となります。

耳介血腫

柔道やボクシング、レスリング等でみみたぶが擦れると、みみたぶの皮膚と軟骨の間に血がたまり、不格好に腫れあがった状態となります。放置するとそのまま固まってしまうため、まず針で中身を吸引して圧迫します。それでも再発してしまう場合は、耳たぶを一部切開して溜まりにくくし、出血点を処理して圧迫を行います。どちらにしても数日間の圧迫が必要となりますので、患者さまのご協力が必須です。

耳性帯状疱疹(Ramsay-Hunt症候群)

耳介(みみたぶ)や外耳道の発疹と、顔面神経麻痺と、難聴・耳鳴・めまいなどの内耳障害の3徴候が帯状疱疹ウイルスの再活性化により発症するものをRamsay-Hunt症候群と呼びます。幼少期に水ぼうそうに感染した後、原因ウイルスである帯状疱疹ウイルスは顔面神経の神経節(神経と神経の中継点)に潜んでいます。免疫力の低下などにより、潜んでいたウイルスが再活性化して症状を起こします。帯状疱疹を含むヘルペスウイルス属は神経毒をもつため、神経の麻痺を起こすだけでなく皮疹や痛みもともなうことが多く見られます。麻痺に対するステロイド治療、ウイルスに対する抗ウイルス薬の投与を主体として治療を行いますが、Ramsay-Hunt症候群の神経麻痺は後述するBell麻痺と比較し治りにくいケースが多いため、ペインクリニックでの治療を併用したり、全身麻酔下での顔面神経減荷術を行う場合は高次医療機関への紹介を検討します。免疫力の低下してくる50歳以上に、帯状疱疹ウイルスに対するワクチン接種が適応となっていますが、高額(東京都公費負担なし(任意接種)2回摂取合計44,000円(2022年11月時点))です。