主なアレルギー性鼻炎の注意が必要な時期(東京)

アレルギー検査

血液検査により、アレルギーの原因を確認します。舌下免疫療法の適応がある項目(スギ、ダニ)以外の治療法に大きな違いはありませんが、どの時期・時間帯に薬を使えばよいのか、どういった場所を避ければよいのか、自宅でできることはあるのかなど対策がはっきりします。

内服治療、外用薬(点鼻・点眼・貼付剤)治療

一般的にはくしゃみ・鼻水には抗ヒスタミン薬が、鼻づまりにはロイコトリエン受容体拮抗薬が用いられます。抗ヒスタミン薬は即効性があり内服後数分で効果がありますが、ロイコトリエン受容体拮抗薬は効果がしっかり感じられるのに数日を要します。点鼻薬では概ね噴霧型の副腎皮質ステロイド薬が用いられますが、使用感のあるものやないもの、液だれしにくいものなど好みが分かれるものなので、相談しながら種類を決めていきます。点鼻薬は即効性もありますが、継続的に使用することでより効果が上乗せされていきます。いずれにしても、鼻の中の所見や何のアレルギーかによってお勧めする処方内容は変わってきますので、一番良い薬というのは各人異なります。点眼薬や貼付剤の処方も可能です。

レーザー治療

レーザー治療機器

ご希望される方やお勧めする方に、当院では鼻腔レーザー治療を行うことができます。鼻の中の下鼻甲介という大きく広いヒダを熱凝固させて、鼻の通りを改善したりくしゃみや鼻水の症状を緩和させます。

治療の流れは、

  1. 鼻の中に麻酔と血管収縮薬をしみ込ませたガーゼを15~30分入れておく
    (この麻酔ガーゼを入れるときだけちょっとグッと押される感じがします)
  2. 麻酔ガーゼを抜く
  3. 片側2~5分程度かけて鼻腔内のレーザー治療を行う
    (鼻の一番奥だけちょっとだけ痛みがある場合があります)
  4. 鼻の中の粘膜を整える

で終了です。

所要時間は前後処置込みで1時間程度、金額は3割負担の方で1万円弱です。レーザー治療後は治療した部分がカサブタになりますので、家で鼻を強くかまないようにして、1週間前後に鼻のクリーニングにお越しいただきます。処置後の鼻クリーニングはほとんどの方が1回限りで済みます。

舌下免疫療法
減感作療法

歯肉の裏側にアレルギー源を毎日少しずつ体に触れさせることで、アレルギーそのものをなくしてしまう治療法です。2022年11月現在、スギ花粉症に対するものとダニアレルギーに対する2種類が保険適応となっています。5歳以上から治療適応があり、治療開始後早ければ半年経過すると効果を感じられ、3年継続すると一旦卒業となります。注意点としては、血液検査等でスギ・ダニアレルギーであることが確認できていること、初回使用時はアナフィラキシーショックを含む過敏反応が起こる可能性があるため院内で30分間経過観察を行うこと、スギ花粉に対する舌下免疫療法は飛散時期以外から開始することです。

ネブライザー療法

耳鼻科に行くとよく見る、霧状の薬を吸入する治療がネブライザー療法です。薬剤を超音波等で振動しエアロゾル化して、それを吸入することで鼻の中、のど、気管に直接沈着させて治療効果を発揮します。一見治療によって感じられる効果は、「鼻の中が潤った」、「鼻詰まりが楽になった」、「鼻のかゆみが楽になった」といった一時的なものように思われ、「本当に効果あるんですか?」という疑問を持たれた方もいらっしゃるでしょう。安心してください。過去の報告で、急性・慢性副鼻腔炎に対して内服治療のみとネブライザー療法を併用した群を比較した試験や、副鼻腔炎術後のネブライザー薬液の沈着効果や、それらの局所療法の有効性についての論文があり、治療推奨度は担保されています。他にも、気管支喘息やクループ等で緊急的に吸入療法を行わなければならない事態もあり、耳鼻咽喉科クリニックにはネブライザー機器が設置されているのです。